楽曲がアルペジオのセクションに入り、アルペジオの考え方などお話ししました。
ギター奏法において「アルペジオが一番難しい」とさえ個人的には感じます。
それだけ繊細な奏法なんですよね。
特に難しいポイントはコードチェンジ時の音の繋ぎです。
ピアノのようにサスティンペダルを使えないので、基本ギターは“人力で音を伸ばしていく”しかありません。
コードチェンジのために早く指を離せば、音が短くなってしまいますからね。
・毎回コードチェンジ前の音価が短い、もしくは指離し始めていて実音がならない(ペンっていうミュート音)
・チェンジする次のコードの種類によって長い、短いがある
だと聴いてる方はあまり心地良くないです。
コードストロークの場合は「チェンジの8分音符前」に次のコードへ向かい、コード音ではない開放弦が鳴ってもあまり気になりません。
というかこうすることで、繋ぎもスムーズになります。
ただアルペジオの場合は鳴らす音によってはかなり濁って感じてしまうんですよね。
■アルペジオ奏法のコツ
対処法やコツはいくつか考えられます。
・繋ぐ音を先に押さえ、鳴っている間に他のポジションも押さえる(時間差で押さえる)
・ボイシングを変える(チェンジしやすい、開放弦が多いフォーム)
・鳴らしてもOKな開放弦を入れる
・音符の規則性を出しつつ、コードチェンジしやすい音符(付割)に変える(チェンジ前を長めの音価)
・Delayで残響音を長くする(サスティンペダルのような効果、少し早めに離せる)
などです。
上記から「鳴らしてもOKな開放弦を入れる」を例に挙げてみます。
例えば「Em-Bm-C-G」というコード進行。
このように従来のフォームできっちり最後まで鳴らすと、「Bm-C」のところが繋がりにくいですよね。
コードチェンジ頭が単音なら先行してその音を押さえるのも可能ですが、複数弦鳴らすパターンだと次のCコードの頭がきれいに間に合わず欠けてしまうリスクがあります。
そこでBmの最後に「3弦開放弦のG音」を入れていきます。
開放弦を鳴らしてる最後の8分音符時に、次のコードへ向かって移動しにいく感じです。
「Bm」に対して「G音」はコード単体で見ればきれいに響くとは言えないかもですが、Eマイナーキー全体で考えればスケール音となります。
実際弾いてもらうとわかりますが、自然にアルペジオは響いていると思います。
しかも繋ぎは楽になりスムーズで、コードの最後がすべて「G音」なので統一性もありますよね。
こんな感じです⬇︎(MIDI演奏)
アルぺジオの一部が弾きにくいと、「もうそろそろあの箇所だ・・・」など1曲通して不安材料にもなってしまう可能性があります。
アルぺジオに限らずですが、そういう弾きにくいと思う箇所があってはライブの成功率も下がり、何より楽しめませんよね。
曲全体を通して少しでも弾きやすくするのも、大切なスキルの1つだと思います。
特にアルペジオはいかに綺麗にスムーズに繋げられるか、弾き方を何パターンか熟考してみるといいですよ!