本番でうまくギターを弾くには?


生徒さんが先日人前で演奏する機会があり「頭が真っ白になってしまった」というお話をされていました。

経験したことある方も多いのではないでしょうか?

 

今日は今までライブを多くしてきた中で得た、僕なりのポイントなどを少しお話したいと思います。

焦点を

●本当に血肉となるまで昇華できてるか

●記憶はしっかりと入ってるか

●そもそも本番ででる実力の割合

●経験値

に当てて見ていきます。

 

●本当に血肉となるまで昇華できてるか


弾けてると思っていても、実はまだ本当の実力になるまで落とし込めていないこともあります。

ここで確認したいのは

・クリックだけでも弾き切れるか

・きちんと弾こうとしている音符を把握してるか

 

音源と合わせて練習してると、自分がミスろうがそのまま進行してくれます。

正解が流れてる中で乗っかりながら弾いてるとプレッシャーも感じませんし、楽です。

弾けていないのに“弾けている気”にもなりやすく、細かい間違い・ノイズにも気づきにくいんですよね。

 

クリックだけで弾けるには、音符をしっかり把握してる必要があります。

1拍をどのように分割してるかわかった上で、それを狙いにいって弾けることが大切です。

普段なんとなく音源に乗っかっていると音符の意識も低くなり、いざ自分だけで弾く時に「縦のライン」も「裏拍」も意識できずに早くなったり遅くなったりしがちになります。

 

ソロで速弾きなどがあると特に、このくらいの間にフレーズが始まって終わるなど、アバウトになってしまう人も多いです。

練習でも本番でも「再現性を高める」という意識が必要だと思います。

そのためには、しっかりと音符を把握し、いつ何時も一定のパルスを刻んでくれるクリックで弾き切れる練習は必須です。

 

●記憶はしっかりと入ってるか


フィジカルには弾けても、記憶が抜けてしまうと弾けません。

ここでも前項の部分が関連します。

「クリックのみで、自分の音のみのヒントなしで最後まで弾き切れるか」で記憶の定着度がわかります。

 

また記憶には波があると考えてます。

簡単に言うと

「まず記憶が入って➡︎ポロポロ少し抜ける箇所が出てきて➡︎再度抜けた箇所を入れることで長期的な記憶になる」

というようなイメージです。

人間の脳なんで、ある程度の欠落がいつくるかなんて想像するだけ無駄と割り切るしかないかなと思います。

抜けるかもと思ってると、その通りに引っ張られるなんてのもありますしね。(思考は現実化するってやつ)

 

それでも記憶は「繰り返すことで強くなる」という部分はあります。

ライブ前に記憶を確かめる方法としては、ギターを持たずに脳内再生で最後まで弾けるかでわかります。

脳内イメージで「あれ?これって何弦の何フレットだっけ?」となれば抜ける確率も高いです。

逆にそれがなければ大丈夫と思って、あとは楽しむという気持ちに持っていくといいでしょう。

 

●そもそも本番ででる実力の割合


本番は少なからず緊張感があるものです。

家でものすごくリラックスして弾いてるのと比べて、弾きにくくなるのは当たり前ですよね。

 

なのでそもそもライブ本番などで出せるのは、自分の実力の「7割程度」と思っておくくらいがいいでしょう。

もし7割しか出なくても成功できるくらい練習するんです。

 

●経験値


十分過ぎるほど準備したとはいえ“ライブは生もの”ですからね。

ほんと何が起きるかわかりません。

 

あとは多くステージを経験することで補えることもあるでしょう。

「ステージに慣れ緊張感が減ってきて、前よりはリラックスできてくる」

「だんだん緊張で縮こまるより、せっかく練習したんだから上手く弾きたいという気持ちが勝ってくる」

「緊張で鼓動が速いと、普段よりBPMが早くなってしまう。深呼吸や全身のストレッチ、軽い運動で鼓動を落ち着かせたり体の強張りをとる」

「ライブ前に体を冷やす飲み物、食べ物はとらない」

「座る時は椅子の高さによる体の力の入り方が変わる、自前の椅子を持ち込む」

「どっちの足に重心がある時に、どのフレーズ・左右手が弾きやすいか。どっちの足でどのタイミングで音色を変えるか」

「弦が切れたら、機材の電源が落ちたら、故障したらどう対処する」

「途中でロストしたら、どこで戻るか。もしくはいつでも戻れる。ソロはアドリブに切り替える」 etc…

などなど、多くのトラブルや経験をすることで、なるべく自分の実力に近づける努力はできます。

 

僕は一度失敗したことは、まぐれではないと思うようにしています。

どんなに練習でできていても、一度も間違ったことがなかったことでもです。

本番によって露見しただけ、これは何度でも起きる可能性があると思い、どんなに悔しくても向き合って修正します。

 

そうするとやはりまたいつか同じような状況って起きてくるもんです。

でもその時修正しておけば、今度はうまく乗り切れたりできます。

それも含めて実力なのかなと思います。

 

その上で、やはり楽しく演奏するのを絶対に忘れるべきじゃないです。

ライブ本番はこれからもたくさんできます。

うまくいかなかったところは「OK、じゃあ今度はこうやって練習ね」ってやりぁいいんです。

 

Tsuchiya

緊張以上に人前で弾くことでゾーンに入れたり、アドレナリン出まくって気持ちいいってのも味わえますからね。

正しい練習で準備して、あとは演奏を楽しみましょう♪